院長ブログ
女性喫煙者の寿命は14.5年短い
[HealthDayNewsより]
米国では11月は肺癌月間にあたるが、米国産科婦人科学会(ACOG)では、これを機に女性喫煙者に対して、入手できる情報源を活用し、禁煙日を決め、悪習を徐々に断ち切っていくことを勧めている。
喫煙は、女性の寿命を平均14.5年も短縮させるにもかかわらず、18歳以上の米国人女性の5人に1人は喫煙している。同学会のSharon Phelan博士は「女性が喫煙によって受ける障害は広範にわたり、生涯観察される。喫煙は有害な習慣であり、体内のほぼすべての臓器に悪影響を及ぼす」と述べている。
喫煙がもたらす危険性は以下のとおり:
・女性の癌死亡の第一位を占める肺癌の主原因である。1950年以降、肺癌による女性の死亡は60%超増加している。
・乳癌や口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、膵癌、腎癌、膀胱癌、子宮癌、子宮頸癌など、多数の癌リスクが有意に高まる。
・非喫煙女性に比べて、冠動脈心疾患の発症率は2倍、慢性閉塞性肺疾患(COPD)による死亡率は10倍である。
・気腫、気管支炎、骨粗鬆症、関節リウマチ、白内障、閉経後の骨密度低下、股関節骨折のリスクが高まる。また、早期閉経、歯周病、歯の喪失、皮膚の早期老化の原因になることもある。
・生殖可能年齢に女性では、妊娠に障害が生じる可能性がある。妊娠女性では、未熟児や低体重児、肺機能不良や気管支炎、喘息を有する新生児が生まれるリスクが高まる。
・避妊薬を併用している35歳以上の女性では、致死的な血栓の発現リスクがある。
Phelan氏は「妊娠女性は絶対に喫煙を避け、出産後自宅でも禁煙すべきである」という。3~11歳の小児では約60%が受動喫煙に曝露されており、広範囲にわたる健康障害リスクの増大をもたらしている。
先日もお子さんが咳き込んで止まらないと心配されたお母さんがこられましたが、感染症の兆候が見られないため、よくよく聞いてみると、お父さんもお母さんもヘビーと言えるほどのスモーカーで、ベランダでホタルをすることもなくお子さんの前でも普通に喫煙しているとのこと。 シックハウス症候群という言葉なら過敏に反応するのに、煙草の副流煙による受動喫煙には見て見ないふりをされる、、、非常に矛盾があるのですが、人間というものは本当に弱いものです。