院長ブログ
新しいタイプのボツリヌス製剤の安全性を臨床試験で確認
(HealthDay Newsより)
Reloxin(ボツリヌス菌毒素A型複合体)と呼ばれる新しいタイプのボツリヌス製剤が、額のしわ取り治療として安全かつ有効であることが新しい研究(臨床試験)で明らかにされた。
美容医学(cosmetic medicine)では長年、額のしわ取り治療としてボトックス(ボツリヌス菌毒素)が主に使用されている。このボトックスに代わるReloxinは、現在米国以外の23カ国で認可されており(日本では未承認)、神経障害治療に15年以上利用されている。両者の違いの1つは、Reloxinには含まれる蛋白および抗原が少ない点にある。
原理的には、蛋白量の少ないReloxinのほうが体内で分解される速度が遅く、効果が長く続くはずと考えられるが、初期研究ではボトックスのほうがReloxinより効果が長く続くという結果が出ている。また、Reloxinは組織中で拡散する範囲がボトックスよりも広い。ボトックスでは半径1センチの範囲に拡散するが、Reloxinは半径1~3センチに拡散するという。そのため、Reloxinは額のしわ取りでは注入回数が少なくてすむが、目尻のしわでは眉や瞼(まぶた)の下垂の原因となる可能性もあるという。
米Moy‐Fincherメディカルグループ(ロサンゼルス)のRonald Moy博士らによる今回の第III相試験では、患者1,200人の額5箇所にReloxinを注入。患者は治療効果について日誌に記録し、治療の1週間~10日後、2週間後、30日後、その後は月1回の診察を受けた。13カ月の試験を終了した1,052人のうち有害事象(イベント)が認められたのは880人、このうち治療によるものと思われるのは28%で、注入部の障害のほか、眉や瞼の下垂などの神経系障害がみられた。副作用で治療を中止したのは1人だけであった。治療の効果は1日後からみられ始め、1週間後には95%の患者に効果があったと報告。30日後の診察では91%に効果が認められた。
米国では現在、Reloxinは米国食品医薬品局(FDA)の認可待ちの状況だが、いずれボトックスの競合品となる可能性があると研究グループは述べている。一方で、瞼の下垂などの発生率がボトックスよりも高い点を懸念する専門家もおり、作用機序や拡散範囲について疑問が残るとの指摘もある。この研究は、医学誌「Archives of Facial Plastic Surgery(顔面形成外科)」3/4月号に掲載された。
ボトックスについても当方で扱うことはありませんので、あくまでも情報としてのご紹介!
当クリニックとしては、アンチエイヂングとして引き続き 「プラセンタ」「高濃度ビタミン注射(ニンニク注射)」をお勧めしていきたいと思います。