院長ブログ
インフルエンザの診断について
インフルエンザの診断は、各医師の先生方によって、かなりばらつきがあります。高熱が出ないと、検査もしない(キットが足らない場合を除く)、薬も出さないという先生もおられます。
しかし、実際は微熱症状でも検査が陽性になる場合も、高率に存在し、その人本人は軽症でも、治療もされずに居れば、立派な感染源となりうるのです。
家族にインフルエンザ感染者がいて、一緒に生活している場合、新型のように誰も免疫を持たないであろうウイルスなのですから、他の家族が、少々の症状でも出ていれば、それは発症の可能性が濃厚で、感染源になりうるということです。
ですから、高熱であろうが微熱であろうが、家族の中にインフル確定者が居る場合、あるいは学級閉鎖、学校閉鎖になったクラスのモノ、などは、簡易検査で陰性であろうがインフルエンザと診断することは充分にあり得ます。
この判断が遅れた場合に、大変な事態が起こってしまったのでは、取り返しもつかないこともあるということを理解していただきたいと考えます。
また、タミフル、リレンザの投与に関係なく、インフルエンザの場合、異常行動はよく見られます。それはやはり高熱の場合であり、カロナールなどの解熱剤を使用しても39度以上の発熱がさがらなければ、他の解熱剤を併用してでも下げてあげなければ、脳症を併発しやすくなってしまいます。40度を超えて長時間たてば、脳が煮えてしまいます。 身体も消耗してしまいますから、高熱の場合は、37~38度くらいまでに下げてやった方がいいと考えます。
日本小児学会でも、脳症などの危険性が高い1~5歳は軽症でもタミフルを処方し、6歳以上については重いぜんそくなど持病を抱える場合には、症状にかかわらず投与対象とすることとしています。
一昔前であれば、インフルエンザなどは軽症なら薬も必要ないとされ、検査などもされませんでしたが、、、ここ最近の状態で、それを貫き通せるほどの度胸はなかなか持てません。 皆様もご自分の家族に起こったことであれば、尚のことであろうかと思います。
当方の診断についての問い合わせが多数ありましたので、長々と述べさせていただきました。