院長ブログ
<冬の肌荒れ>乾燥以外に寒さも大敵 ポーラ化成など研究
(毎日新聞より)
皮膚表面で温度を感知するたんぱく質が、肌の乾燥に深くかかわっていることが、自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター(愛知県)とポーラ化成工業(横浜市)の研究で分かった。冬の肌荒れの原因は空気の乾燥だけでなく気温低下にもあることを示す結果で、福岡市で開かれる日本研究皮膚科学会で5日発表する。
このたんぱく質「TRPV4」は体内のさまざまな場所にあり、温度や筋肉の緊張などの刺激を感知する働きがあることが知られている。
ポーラ化成の木田尚子研究員(皮膚科学)らは、TRPV4が温度によって活性を変えることに着目。皮膚でどんな働きをしているかを調べた。
TRPV4が不活発になるセ氏24度で人の表皮細胞を培養すると、適温の室内での皮膚温度(33度)で培養した場合と比べて細胞同士の接着が緩み、すき間から水分などの物質が通り抜けやすくなった。
TRPV4を活性化する試薬を加えたところ、物質の透過が抑制された。
これらのことから、低温がTRPV4の活性化を妨げることで皮膚のバリアー機能が低下し、水分が失われて肌の乾燥が進むと推測された。
木田さんは「入浴で肌が潤うことは経験的に知られているが、これには湿度だけでなく温度も関係していることが細胞レベルで分かった。温めることによって肌荒れを改善するなど新しい方法につながるかもしれない」と話す。
診察の時、小生は、見えない気管支の状態を想定するとき、皮膚、口腔内の粘膜の状態で判断することがあります。 同じ外肺葉由来である皮膚と粘膜系は、生体内で同様の反応をすることが多いわけです。
たとえば、自覚症状はあまりない気管支喘息の方が、急な発作を起こしたとして、ピークフローメーターなどで管理出来ていない時、実はアトピーが悪化していたというような予兆があったりするわけです。
皮膚が乾燥しやすいこの時期、肌を守ることで、気管や鼻腔の粘膜も守ることになる可能性を示唆したニュースでした。