院長ブログ
悪玉コレステロール「直接測定法は適当ではない」
(読売新聞より)
日本動脈硬化学会は、特定健診(メタボ健診)の測定項目にもなっている悪玉コレステロール値(LDL)について、「現在の直接測定法は、正確に結果が出ない危険性があり、適当ではない」との見解を発表した。
コレステロールは細胞膜の原料などになる脂質だが、悪玉が増えると、血管の内側にへばりついて、動脈硬化などの原因になる。悪玉の数値は、総コレステロール値から善玉の数値などを差し引いて求めていたが、現在は試薬で直接測定する方法が普及し、特定健診などでも使われている。しかし、直接測定法では、脂質異常の患者などで正確な測定ができない危険性があった。
同学会は、一般診療では、正確な値が出やすい従来の計算方法で、LDLの値を求めることを強く推奨。特定健診でも、総コレステロール値を測定項目に加えるよう国に求めた。
LDLコレステロール=総コレステロール - HDLコレステロール - (中性脂肪÷5)
(注意:空腹時採血によります。中性脂肪値が 400mg/dl 以上の場合は、この計算式は使えないので、LDLコレステロールを直接測定します。)
「LDLコレステロール」とは、「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きのある「リポ蛋白」です。
「悪玉」と呼ばれる理由は、血液の中にこの「LDLコレステロール」が多くなりすぎてしまうと、「動脈硬化」が発生する原因となるからです。
多すぎるLDLコレステロールは、血管の壁の中に入り込んで、酸化され、動脈硬化を進行させる原因となります。
また、中性脂肪が増えることでLDLコレステロールは「小型化」してしまいます。小型化すると、酸化されやすくなり、血管の壁に入り込みやすくなってしまうので、動脈硬化の発症リスクがいっそう高くなってしまいます。
さらに、LDLコレステロール値が高くて、高血圧、喫煙、糖尿病、などが重なってある場合、脳卒中や、狭心症・心筋梗塞などの心臓の病気が起こる確率がとても高くなってしまいます。
何事も、適度な調節が重要です。