院長ブログ
黄砂による健康被害
春から初夏にかけては、スギ、ヒノキの花粉に加えてPM2.5をまとった黄砂が多く飛来します。
中国、モンゴルの砂漠からはるばる日本に到達するものはかなり粒子の細かいものであり、眼や鼻腔、気管の奥にまで到達し、粘膜に炎症を引き起こします。
外出すれば衣服にも付着、洗濯物も屋外で乾かせばかなり付着させたものを室内に取り込んでしまいます。
現代の家屋はフローリングが多いので、黄砂も花粉も滞留しやすいです。
まめな掃除、空気清浄機の設置、加湿を心掛け、また換気の仕方には注意が必要です。かえって黄砂を家の中に取り込んでしまうことにもなりかねませんから。
基本はアレルギーの反応が起こりますので、抗アレルギー薬の内服、抗アレルギー作用の点眼薬や点鼻薬、吸入薬などが有効です。
黄砂は特に、咽頭のイガイガ感から飲み込む動作でもかなり痛いと感じるところまで荒れることもありますから、風邪と思い込んで来院されたが、実は花粉症や黄砂であったということもしばしばあり、自分での鑑別はつきづらいと思います。
また花粉や黄砂で気道の粘膜があれますと、免疫力も低下しがちで、結局は風邪のウイルスや細菌をもらいやすい状況に陥ります。
鼻がぐずぐずする鼻炎ぐらいと思って我慢していると、咳喘息、喘息、さらには肺炎と、どんどん奥へ奥へと症状の現場が進んでいきます。
あまり悪化させる前に受診していただくことをお勧めします。
そうはいっても、今は満開の桜を楽しみたいですね。