院長ブログ
経口禁煙治療薬
米国では2006年5月に承認され、ファイザーが「Chantix」の商品名で販売中のくすりで、わが国では2006年6月にファイザーが承認申請済み、順調にいけば2007年中には発売、ニコチン依存症の保険適用薬として使用できそうである「バレニクリン」というくすり、承認されれば初の経口禁煙治療薬となります。これまでのニコチンパッチやニコチンガムなどのニコチン製剤は血中のニコチン濃度をあげることで、喫煙したときと同様の満足感を与え、禁煙時の離脱症状を和らげるわけですが、狭心症や心筋梗塞の既往のある人には原則使用できません!またパッチではかぶれたりすることがあるので皮膚の弱い方には使いづらいところがありました。
このバレニクリンはα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体の部分作動薬で、脳内のニコチン受容体に弱く作用して喫煙したときと似た満足感を与え、逆にニコチンが受容体に結合するのを阻害するため、喫煙しても満足感を得られなくするのです。 つまり、ニコチン製剤はタバコと併用すれば危険でありましたが、バレニクリンは喫煙しながら無理なく本数を減らしていけるというわけです。いきなり一大決心をして禁煙に踏み切るやり方よりも患者さんは気負いなく禁煙に自身を持てるのではないかと期待されます。
まだまだ喫煙率の高い日本ですが、徐々に肩身の狭い状況になってきている昨今、早く禁煙出来たほうが勝ちではないでしょうか?
これを期に、禁煙に興味をもっていただければと願い、書き込ませていただきました。