院長ブログ
肝硬変の治癒、ラット実験で完治=原因物質作成細胞に注目-札幌医大
(時事通信社 – 03月31日 より)
肝臓がんを引き起こす原因となる肝硬変について、ラットを使った実験で完全に治療することに成功したと、札幌医科大学医学部の新津洋司郎教授が31日、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジーの電子版に発表した。
肝硬変は、肝炎などがきっかけで臓器の細胞が硬くなる病気で、進行すると肝臓がんを引き起こす危険性が高いとされている。日本では年間4万人以上が肝硬変による肝臓がんで死亡しているという。
同教授のグループは肝臓が硬くなる原因物質を作り出す「活性化星形細胞」HSCに注目。この細胞がコラーゲンを作るのに必要なたんぱく質「HSP47」の働きを抑える物質「SiRNA」を含む薬を開発、この薬にはHSCが好んで取り込むビタミンAを加え、人為的に肝硬変を起こさせたラット(通常なら4~5週間で死亡する)のしっぽから静脈注射したところ、増殖していた星形細胞も消え、肝硬変も完全に治癒したという。
同教授はこの治療法が、HSCが原因で発症する肺線維症や心筋梗塞などにも応用が可能としており「今後民間企業と共同で臨床試験を繰り返し、5年以内の実用化を目指したい」と話している。
肝硬変にまで進行してものは少なくとも完治することはなく、進行を遅らせる程度の治療が限界でありましたが、この実験で光が見えたことになり、再生医療と組み合わされば、さらに希望が膨らむことになりそうですね。今後の研究に注目です!