院長ブログ
熱帯多発のシガテラ中毒、本州でも…魚食べ発症
(読売新聞 より)
熱帯や亜熱帯地域で魚を食べると発症し、被害者数では世界最大規模の食中毒と言われるシガテラ中毒。
日本でも沖縄や奄美大島などでは昔から知られているが、近年、本州でも発生するようになった。理由ははっきりしないが、魚を毒化するプランクトンの生息域が海水温上昇などで広がった可能性も指摘されている。中毒の「北上」に、温暖化などが影を落としていると言えそうだ。
シガテラ中毒の原因となるプランクトンの分布や生態は謎に包まれたままだが、水温上昇や沿岸開発でサンゴが死滅した後、大量発生することが分かっている。このプランクトンの毒が食物連鎖で魚に蓄積して「毒魚」となり、バラフエダイやオニカマスなど数百種にも及ぶという。こうした魚の多くは市場価値がなく、ほとんど出回らないが、漁師や釣り人が口にすることがある。
日本では2002年以降、18件のシガテラ中毒が報告されたが、ほとんどは沖縄県内で、本州ではあまり知られていない。しかし、一昨年に茨城県で、昨年には大阪府で報告された。18件には入っていないが、神奈川県でも昨年、診断例がある。こうした状況を受け、静岡市で先月開かれた日本水産学会では「原因プランクトンの生息域拡大の可能性がある」として緊急シンポジウムが行われた。シンポジウム世話人の四国大短大の西尾幸郎教授は「温暖化などとの関連に確証はないが、温帯域への広がりは懸念される」と指摘する。
福代康夫・東大アジア生物資源環境研究センター教授は「海藻に付着して流れてきたり、船のタンクにためる海水に混じって運ばれたりし、地球温暖化による海水温上昇で定着したなどの可能性は考えられる。しかし、プランクトンの分布調査などが進まないと、断定するのは難しい」と話す。
毒そのものが何かは特定出来ていないですが、プランクトンが関わっていつとなると、ふぐのテトロドトキシンや、貝毒のように、強毒性であることが伺い知れるところで、温暖化の影響による北上傾向は明白なのではと思えます。 子供の頃から海産物、特に新鮮な刺身が大好物の小生にとって、海洋汚染、また、海産物の毒性増強は重大な関心事であります。