院長ブログ
やせている人でも生活習慣病になる危険
(読売新聞より)
メタボ健診の改善指導対象外
太っている人だけでなくやせている人でも、心筋梗塞などの生活習慣病になる危険があることが、大阪府立大の研究グループの大規模調査で分かった。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を指標に4月から始まった「特定健診・保健指導」(メタボ健診)では、おなかが出た人に生活習慣の改善を促すことになっているが、太っていなくても注意が必要な場合がありそうだ。
研究を行ったのは、同大総合リハビリテーション学部の今木雅英教授(栄養療法学)らのグループで、2000~04年度に大阪府内で行われた住民健診のうち、40歳以上の延べ約6万人の健診結果を分析した。
感染症の検査などに使われ、心筋梗塞との関係も指摘されている「CRP」という血液中に含まれるたんぱく質と、メタボ健診の診断項目である、肥満度、血圧、血糖、脂質との関係を調べた。
CRPの値「0・2mg/dl」を基準に、それより高い人とそれ以下の人に分けて、腹囲を除く2項目以上が、メタボの基準を上回っている人の割合を調べたところ、CRPの高い人は、低い人より男女合わせて1・7倍ほど高かった。
肥満度との関係では、男女とも肥満の場合、適正体重の人よりCRPが高い人が多かった。また、男性では、「やせ」の人でもCRPが高い傾向があった。例えば03年度の場合、CRPが高かった人は、適正体重が18・2%なのに対し、肥満が21・9%、やせが27・7%だった。
メタボ健診では、メタボかその予備軍と診断されると、保健師などから生活習慣の改善指導が行われる。しかし、基準である腹囲が男性85センチ、女性90センチに満たないか、肥満でなければ、血圧や血糖値などが高くても生活習慣改善の指導は行われない。
今木教授は、「研究結果から、CRPが高ければ体格に関係なく、生活習慣病になる危険が高いと言える。CRPは血液検査で簡単に測れ、将来的に生活習慣病になる危険があるかどうかをみる指標になる」と話している。
炎症反応の指標として馴染みの深い検査ですが、正常範囲の0.5までの中での評価で違和感はあるものの、そもそもメタボの基準が非常識な穴だらけなものですから、、、ただ、こうやってメタボと言うものに対し、いろんな意見が出てきて、皆さんが興味をもち、健康を意識するようになったことは確実にいえそうです。 しかも、痩せているからと言って油断はいけませんよと言う警告が出るようになればしめたもの。 この調子で、健康でいることのありがたさをかみ締めつつ、健康を維持する努力を惜しまないよう考えていただければと思います。